目よ、欲に眩め

きょうも自意識とタイマン

飲酒がでぇすきだ、という話。

昔こんな日記を書きかけて、結局投稿しなかったので供養。ビールについての熱い思いを語って、語りすぎて、投稿するのが面倒くさくなったのだと思う。

当時から飲酒が相当好きだったことが伺えるが、今はますます好きだ。

今度この続きを書いてみるのもいいかもしれない。この二年半で、ますますウイスキーと焼酎を好きになったから。

 

 

***

 

 

 

あと1ヶ月ちょっとでわたしは27歳になる。

いよいよアラサーまったなし、という年。

そんな今の年齢に至って、改めて思うことがあった。

 

わたし、本当に本当に、お酒が好きだわ。

 

それは、いいワインや日本酒の銘柄に詳しい、

とかともまた違って、

きっともっと散漫な愛し方なのだけど。

 

そう気づいて改めて、お酒のことを考えると、

想いがほとばしってとまらなくなった。

なので、どんな酒が好きかについて、ここにしたためたいと思う。

 

 

はじめに。

わたしは家で、一人でも、酒を飲む人である。

冷やしたグラスに500缶のビールを注いで、

風呂上がりにきゅーっと飲み干すのは、まさに至福のとき

ビールでお腹がいっぱいになってきたら、

ヒノキの升で一合瓶を傾けて冷酒を飲んだり、

ウィスキーをロックで飲んだりもする。

肴は適当に、コンビニに売っているもやしや、

缶のコーンやツナを炒めて、つまむ。

意識がふわふわしてきたところで、うがいをして寝る。

お酒が回って頭がぼんやりしてくると、

その日の疲れも夜に溶けてしまうような気がする。

実際身体的な負担は単純に積み上がっているものの、たぶん、ストレス解消にはなっている。

 

 

それから、ともだちの家に遊びに行って飲むのも好きだ。

手土産にみんなでワインや日本酒を持ち寄りながら、

まずは缶のままビールで乾杯をする。

冬は定番の鍋や、ホットプレートを使った料理も楽しい。

たこ焼きや餃子も。

暖かい料理を食べながら、テレビを観たり、

ゲームに興じながらだらだら昼下がりに飲む。

そういうときに一番、大人になってよかったなと思うものだ。

 

 

缶ビールといえば、新幹線で飲むのもよいもの。

旅行なら行きの新幹線で、出張なら帰りの新幹線で。

プルトップをプシュッと開けるとき、とてつもない優越感を感じる。

これから新幹線に乗って旅行に行くわたし。

仕事が終わって帰るだけのわたし。

地球上でもっともすぐれた存在なのではないかとすら思う。

朝に、夕に、流れる田舎の景色を見ながら飲む

ビールのうまさたるや!

 

 

最近は、瓶ビールにも傾倒している。

店によって味に差が出る生ビールに比べ、瓶ビールはどの店で飲んでも、

冷えてさえいれば超うまいからだ。

大衆中華などに行くと、生ビールのジョッキがぬるかったり泡が粗いことも多い。

そういうときは瓶ビールに頼る。

大学の学食にあったような水用のグラスで、

200ccに満たない液体を延々と、飲み続ける。

この空間でビールだけが正しい、という錯覚にすら、陥る。

 

 

また対照的に、すき焼きなどちょっといい和食などに行くと、

女将さんが瓶ビールをついでくれたりする。

切子細工のグラスに注がれる、黄金色のなんと美しいことか!

大衆中華で飲んでいる酒とはまるで別物のようで、全く同じ酒という驚き。

普段粗忽な身の振る舞いをしている女友達が、突然粧し込んできたかのような、

ときめきを感じる。

いや、すべての大衆中華が粗忽という訳ではないけれど。

 

瓶ビールはどんな場にも、馴染めるすごいやつだ。偉いなあ。

瓶ビールは偉い!

 

 

瓶といえば、海外の味を手軽に楽しめるのもよさの一つだろう。

火鍋を食べながらの青島ビールは格別だし、

スパイシーなタイ料理とシンハービールの組み合わせも、

大変にテンションが上がる。

気候のせいか、アジアのビールは飲み口が軽い。

すこし発泡酒に似てると思う。

ただ、そんな軽さがたまらなく気持ちいいと感じることもある。

 

 

対して、ヨーロッパのビールは炭酸が弱く、やや重めの味が多い。

ピルスナーにしても、香りが強かったり。IPAや黒、白に至っては尚更。

そんなクラフトビールの中では、白ビールがいちばん好みに合う。

ヒューガルデンにはじまり、国内では銀河高原ビールも有名だ。

はじめて飲んだ時は納豆を感じさせるような発酵感に驚いたが、

喉ごしがやわらかで苦味が残らないので、たくさん飲めてしまう。

 

しかし、クラフトビールはたいてい値段が高いので

私のような鯨飲女には贅沢品だ。

一方で、それゆえに、友人やらと「そっちも飲ませて〜」などと言いあいながら、

タップバーで杯を重ねるときのはしゃいだ気持ちが好きだ。

オクトーバーフェストもまたしかり。

大きなグラスで、ちょっとしたものをつまみながら色んな種類のビールを呑み比べる。

あくまで、主役はビール。

なんとも目的が明瞭な祭りである。

ビールの神様も目を細めているに違いない。

 

 

話は変わるが、人生最高のビールについて考えつづけたいと思う。

人生最高のビール。

いつ、どこで、その一杯に出会ったか。

世界中のビール好きに問うてまわりたい。

 

私の場合は、大学生の時ひとり旅で訪れたプラハで飲んだビールだ。

雪が降り積もる旧市街のレストランで、

ビール煮のチキンを食べながら、飲んだあの一杯。

 

チェコは、ひそかに国民一人当たりのビール消費量が

世界一というビール大国である。

だからなのか、とにかくビールが安い。

日本でいう生中サイズのビールが、150円くらいで飲める。

おしゃれな店で。

しかもこれがとてもうまいのだ。

あの日の感動を超えるビールを求めて、私は

日々せっせとビールを飲んでいるのかもしれない、と思うこともある。

まあ、たぶん違う。

 

 

いやはや、ビールについては、とにかく、語りつくせない。

飲むシチュエーションや、容器で、おいしさが左右する飲み物だから。

四季おりおりにすばらしい体験がある。

 

春、土手で桜を見ながら飲むビール。

あたたかくなってきた空気に感謝しながら、ゆったりまたはどんちゃんと。

夏、祭りの縁日で飲むビール。

焼きそばをかきこみながら、ぬるくならないよう早く早くと喉をならす気持ち良さ。

秋、競馬場で飲むビール。

高揚した空気のなかで、いけ!させ!などと叫びながら喧噪にまじる楽しさ。

冬、コタツに入りながら飲むビール。

年末特有の雰囲気と、乾燥した空気がそのうまさを加速させる。

 

 

こんなにみっちりと四季を楽しんでいる自分が誇らしいほどだ。

酒を通して自分の存在も肯定できたり。

前向きに酒を楽しんでいる人々はいつの時代も楽しそうでよい。

 

 

酒といえば、日本酒もしばしば嗜む。

最近は若い女子にも人気があるとかで、かわいらしいラベルの日本酒も増えてきた。

山田錦うんぬんといった米の銘柄はまだまだよくわからないが、

米どころに酒蔵の多いことぐらいは知っている。

 

辛口、甘口、フルーティなど色々飲み口はあるが、

わたしは旨味がありつつ、水のように飲める酒を好む。

飲みやすい酒を煽っているとたいていロクなことにならないが、

うまい酒でへべれけになるのは大変贅沢で幸せなことだ。